どうも、藤井です。
今日もコーヒー飲みましたか?
私は仕事柄、毎日お店で自分で淹れたコーヒーを飲んでいます。
前職(IT系サラリーマン)の時は缶コーヒーが主で、外出の際にカフェに寄ったり。
システムを組んでいた時、煮詰まった時はよく缶コーヒーを買いに行ってました。
缶コーヒーだと130円程度。
コンビニコーヒーで100円〜300円。
カフェだとピンきりで250円〜700円。
同じコーヒー一杯でも金額が全然違いますね。味も違います。
これまでコーヒーのお話を色々としましたが、
生産国や精製方法、焙煎度合など、”コーヒー豆”といっても色々な違いがあることをご理解いただけたかと思います。
実はもっと根本的な違いがあります。
それは、コーヒー豆の品種です。
ワインと同じようにコーヒー豆にも多くの品種が存在します。
缶コーヒーのように低コストで大量生産向きなもの。
超高価格の希少種。
今日はコーヒー豆の品種のお話をしようと思います。
コーヒー豆の品種を知ろう!
コーヒー豆の品種?
よく聞くキリマンジェロとかブルーマウンテンとか?
いえいえ、それらはあくまでブランド名なんです。
ジャマイカにあるブルーマウンテン山脈の800m〜1200mの地域で栽培されたものだけが
ブルーマウンテンと名付けられるといった具合に。豆の品種ではないんですね。
日本で流通しているコーヒー豆の品種は、大きく分けて2種類と言われています。
それが、
アラビカ種とカネフォラ種です。
植物学的分類で見てみると、
被子植物門ー双子葉植物網ーアカネ目ーアカネ科ーコーヒーノキ属
ーアラビカ種
ーカネフォラ種(ロブスタ種)
となります。
このコーヒーノキ属に分類される植物は70種類くらいあると言われていますが、
飲料(商業用)としては、上記2種となっています。
※リベリカ種というのもありますが、コーヒー全生産量の1〜2%程度なので、ここでは割愛します。
上記2種を簡単に説明しますね。
風味豊かなアラビカ種
まず1つめはアラビカ種。
コーヒー全体の65%を占めています。
酸味が特徴的で風味豊か。
広く一般的に好まれる味わいを持ちますが、
標高1000~2000mの熱帯高地で栽培されるため、栽培には大変な手間が掛かります。
また、霜、乾燥、病害虫などにも弱いのが特徴で、栽培が難しい品種と言えます。
モカ、キリマンジェロ、ブルーマウンテンなどみなさんにおなじみのコーヒーは、
多くがアラビカ種になります。
最近のカフェで飲むコーヒーは、ほとんどがアラビカ種でしょう。
<アラビカ種の歴史>
アラビカ種の歴史は古く、6〜9世紀頃まで遡ります。
もともとはエチオピアに自生していたアラビカ種。
それが6〜9世紀に飲料の原料としてイエメンに渡りました。
その後、イエメンから2つのルートで世界に広まることとなります。
1つがインドを経由したティピカ種。
1699年にオランダの東インド会社によってインドネシアのジャワ島に運ばれ栽培。
その後、その中の数本がオランダのアムステルダムで栽培され、フランスに送られます。
そこから1720年頃にフランスのパリ植物園にあった苗木がマルティーニ島へ運ばれ、
そこから中南米諸国に広まりました。
もう一つがブルボン島を経由したブルボン種。
イエメンからフランス人によってブルボン島(現在はレユニオン島)へ。
持ちこまれたアラビカ種が突然変異を起こし、
その後、イギリス領だった東アフリカ(ケニアやタンザニア)に移植され、中南米に広がりました。
アラビカ種はティピカ種、ブルボン種のようにさらに細かく品種が別れるので、後ほどで説明いたします。
病気に強いカネフォラ種
コーヒー全体の35%を占めるのがカネフォラ種です。
コーヒーに詳しい方はロブスタ種という言葉で認識されている方も多いと思いますが、
「カネフォラ種の中のロブスタ種」という位置づけとなります。
病気に強いのが特徴で、標高が低くても栽培することができ、アラビカ種に比べて栽培が容易と言われています。
葉が大きく一度に実がたくさんつくため、1本の木からの生産量が多いです。
麦茶のような独特の香ばしい味わいと強い苦味が特徴。
ストレート(ブレンドしない)で飲むことはほとんどなく、
インスタントコーヒーや安価なブレンドコーヒーなどブレンドして飲まれることが多いです。
<カネフォラ種の歴史>
カネフォラ種の歴史はアラビカ種と比較して浅く、19世紀に入ってからです。
アフリカのタンザニアやウガンダにまたがるヴィクトリア湖の西で発見されました。
1860〜1880年にかけて疫病の大流行によりアラビカ種が大打撃を受けた際、
病気に強いカネフォラ種が注目を浴び、以後急速に導入が進められました。
以上が大枠の2種類の説明です。
次に、アラビカ種の細かい品種についてご説明します。
アラビカ種の種類はこんなにある!
大枠の2つの品種を知って頂いたところで、次にアラビカ種の主な種類についてご説明します。
前述の通り、カフェやコーヒー専門店で扱っているコーヒー豆のほとんどはアラビカ種です。
コーヒー専門店でコーヒー豆を買う時、表示されている品種は”アラビカ”ではなく、
より細かく以下の品種で書かれていることが多いので、是非知っておきましょう。
ティピカ種
先程ご紹介したアラビカ種の歴史に登場したティピカ種。
アラビカ種の中で最も古い品種です。
病気に非常に弱く、生産している場所も限られているので、流通量が少ないです。
味わいは上品で、さわやかな酸を感じることができます。
ブルボン種
先程ご紹介したアラビカ種の歴史に登場したブルボン種。
ブラジルではコーヒーの原型と言われています。
ティピカ種よりも丈夫で収穫量も多いですが、隔年収穫なので流通量は少ないです。
酸味と苦味のバランスが良く、コクも丸みがありやわらかい味わいです。
ゲイシャ種
エチオピア原産。エチオピアのゲイシャという街付近で発見されたことからこのように名付けられています。
改良されずに生き残っている希少種です。
パナマのエスメラダ農園のゲイシャ種がコンテストで一躍有名になりました。
生産量は極めて少なく、高級品として名を馳せています。
果実の風味が強く、一度飲んだら忘れられないと多くの人から絶賛されています。
スターバックスさんで高価格のコーヒーがありましたが、それはこのゲイシャ種を使っていたからなんです。
スマトラ種
インドネシアのマンデリンで発見された品種。
みなさんもよく聞くマンデリンに含まれる品種ですね。
コーヒー店によってはスマトラ種と分けずにティピカ種と記載していることもあります。
濃厚なコクと重量感、独特の苦味が特徴的です。
カトゥーラ種
ブラジルで発見されたブルボン種の突然変異です。
ブラジルのカトゥーラという街で発見されたことからこの名前になっています。
ブルボン種よりも病気や直射日光に強く収穫量は多くなりますが、
隔年収穫はブルボン種と同じなので流通量としては少ないです。
豊かな酸味と強めの渋みが特徴です。
ムンドボーノ種
ムンドボーノ種はブラジルのサンパウロで発見されました。
ブルボン種とスマトラ種の自然交配によって誕生したと見られています。
ムンドボーノとはポルトガル語で「新世界」を意味し、ブラジルの多くの農家で栽培されています。
ブルボン種と違って病気に強いため安定して収穫できる品種。
マイルドな味わいですが、生産性を意識して栽培されているため、他のアラビカ種と比較して風味が劣ることもあります。
カトゥアイ種
カトゥアイ種は、カトゥーラ種とムンドボーノ種を人工交配させて誕生した品種です。
病気や害虫に強く、標高が低くても栽培できるという、とにかく耐久性に優れています。
味わいは軽めで飲みやすく、万人受けする味わいでしょう。
以上が主な品種の紹介となります。
あくまで主な品種の紹介で、今現在200以上の品種があると言われています。
ちなみに、当店でお使っているコーヒー豆は、
インドネシアがスマトラ種、
エチオピアがティピカ種、
ブラジルがカトゥアイ種になります。
当店で他の品種を販売することがありましたらまた紹介させていただきますね♪
コーヒー豆の品種のまとめ
- コーヒー豆にも品種は存在する。今では200以上の品種がある。
- 風味に優れてカフェやコーヒーショップで提供されているのはアラビカ種。
- 耐久性に優れてインスタントコーヒーや缶コーヒー等の比較的安価なコーヒーに使われているのはカネフォラ種。
- アラビカ種は突然変異や自然交配、人工交配で様々な品種がある。
みなさん、是非コーヒーを購入する際には”品種”に注目してみてくださいね♪
コーヒー選びがちょっと楽しくなりますよ!
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