STAFF BLOG

ミル

お家カフェ必見!コーヒーの挽き目を理解してあなたもお家バリスタに!

こんにちは、藤井です。

昨日いらっしゃったお客様に浅煎りのエチオピアを飲んで頂いたところ、

「今まで飲んでいたコーヒーとぜんぜん違う!フルーティーでおいしい!」

というとてもうれしいお言葉をいただきました。

その方の日常にちょっとした驚きと美味しいという幸せな気持ちを少し提供でき、
コーヒーを提供する立場として嬉しく思います。

お越し頂いた方に少しでもそのような体験をしていただきたいと、
コーヒーを美味しく提供できるように日々微調整をしています。

これまでのブログでもコーヒーの味の決め手となる要素を色々とお話させて頂きました。

  • コーヒー豆
  • 焙煎度
  • お湯の量
  • お湯の温度
  • 抽出する時間

これらはかなりコーヒーの味に変化をもたらす要素です。

実はもう1点、大きく味に変化をもたらす要素があります。

それは、「コーヒー豆の挽き目」です。

今日はご自宅でコーヒーを淹れる方にも参考になる「コーヒー豆の挽き目」についてご紹介したいと思います。

 

 

 

コーヒー豆を挽くということ

 

コーヒー粉

通常、コーヒーはどのような淹れ方をするにせよ、コーヒー豆のままでは使用しません。

専用の器具(ミル、グラインダーと言います)を使用して、コーヒー豆を粉状にしてから使用します

 

なぜ粉状にするのか。

 

それは、少しコーヒー豆の構造を知って頂く必要があります。

 

コーヒー豆の構造

コーヒー豆は焙煎することによって、加熱による化学反応が起こり、
コーヒーらしい香味、味わいを持つようになります。

焙煎されたコーヒー豆は多孔質で、内部に非常に小さな無数の空洞が出来上がります。
ハニカム構造と呼ばれるものです。

 

<参照:栄養成分ブレンドコーヒーの手引き>

 

わかりやすい絵がありましたので載せてみました。

このように焙煎したコーヒー豆の内部を拡大すると、無数の空洞が出来あがっているんです。

この空洞の大きさは、0.01mm程度の大きさです。

我々がいつも飲んでいるコーヒーの成分は、この空洞内部の表面にくっついていて
それをお湯を通すことで抽出しているんです。

さらに、この空洞の内部には加熱によって生じた炭酸ガスが閉じ込められています。

 

 

コーヒー豆は内部に無数の空洞を持つこと、その空洞内部にコーヒー成分と炭酸ガスが閉じ込められていることを
知って頂いたところで、

なぜコーヒー豆を挽くのか?

についての答え。

 

なぜコーヒー豆を挽くのか

もうおわかりの方も多いと思いますが、それは、

コーヒー豆内部の無数の空洞にお湯が入り込めるようにするため

です。

 

豆を粉状にすることで、この空洞にお湯が入り込みやすくなります。

 

入り込んだお湯は、炭酸ガスを押し出して放出するとともに、空洞内部にあるコーヒー成分を溶かし出します。

コーヒー屋さんでコーヒーを挽いた時にいい香りがしますよね。

それは、挽くことで空洞の一部が壊れ、中の炭酸ガスがふわっと外に放出されるからなんです。

 

コーヒーを淹れる上で、コーヒー豆を粉状に挽くことは必要なことなんですね。

余談ですが、コーヒー豆を中くらいの粒度で引いた場合(中挽き)でも、
1つの粉が0.6-0.7mmくらいの大きさなので、
0.01mmの無数の空洞が60-70個あるってことになるんです!

ミクロの世界。。。

 

 

 

 

コーヒー豆の挽き目で味が変わる

 

コーヒー粉

さて、本題ですが、コーヒー豆をどのくらいの細かさで挽くか、

これを挽き目とかメッシュという言葉で表現しますが、

この細かさの違いがコーヒーの味を左右します。

 

挽き目の目安

挽き目は、挽くミルやグラインダーによっても、業者さんによっても様々ですが、
全日本コーヒー協会を基準にすると、以下5つに大別されます。

 

  • 粗挽き(粒子径 0.72-0.92mm程度)
  • 中挽き(粒子径 0.60-0.71mm程度)
  • 中細挽き(粒子径 0.55-0.59mm程度)
  • 細挽き(粒子径 0.46-0.54mm程度)
  • 極細挽き(粒子径 -0.45mm程度)

 

上にいくほど粉の粒度は荒く、下にいくほど細かくなります。

それぞれの特徴は以下のとおりです。

 

<粗挽き>

コーヒー

粉のサイズはザラメ糖程度。
さっぱりすっきりした味わいになります。
パーコレーターやフレンチプレス等、じっくり浸けて抽出する方法に向いています。

 

<中挽き>

コーヒー

粉のサイズはグラニュー糖とザラメ糖の間くらい。
もっとも一般的な挽き具合で、雑味が出づらくクリアな味わいになります。
ペーパードリップやネルドリップ、サイフォン等で使用されることが多いです。

 

<中細挽き>

コーヒー

粉のサイズはグラニュー糖くらい。
中挽きとともによく使われる粗さで、バランスの良い味わいになります。
ペーパードリップやコーヒーメーカーでの使用におすすめです。

 

<細挽き>

コーヒー

粉のサイズは白砂糖とグラニュー糖の間くらい。
どっしりとした深く濃い味わいになる傾向があります。
ペーパードリップや水出しコーヒー等に使用されることが多いです。

 

<極細挽き>

粉のサイズは白砂糖くらい。
非常に細かく、エスプレッソ用として使用されます。

 

上記、一般的なものを纏めてみました。

コーヒーの淹れ方や、出したい味わいによって、挽き目を変える必要があるんですね。

 

挽き目とコーヒーの味わいの関係

挽き目が変わると味わいが変わる。

これはなぜでしょうか。

それは、先程のコーヒーの構造が関係しています。

 

粗挽きは粉の1つ1つの大きさが大きいため、1つの粉に注目した場合、内部に空洞がたくさん入っている状態になります。

そのため、内部の空洞全てのコーヒー成分を溶かし出すのには時間がかかります。

細挽きであれば逆に1つ1つの粉は小さく、内部の空洞の数も少なくなります。

1つ1つの粉の内部の空洞にお湯が入り込むのは早いため、コーヒー成分の溶かし出すのに時間はかかりません。

 

そのため、同じ時間で抽出すると仮定すると、
粗挽きになればなるほど、スッキリと軽い印象に。
細挽きになればなるほど、濃厚でしっかりとした印象になるんです。

 

 

どの挽き目がいいのか

一般的な基準と味わいをご紹介しましたが、ご自宅で豆を挽く場合、どの挽き目にするのかは迷いますよね。

 

実際に説明書やコーヒー店で言われた粗さで挽いてみたけど、合ってるのかな。。。

 

これは誰もが悩むところです。私も悩みます(笑)

前述のように、抽出方法や好みの味によって変わるため、

 

これがいい!

 

と断言できる正解はありません。

 

ただし、上記の通り挽き目によって味わいの傾向がでます。

 

粗く挽けばスッキリとした味わい

細かく挽けば濃厚な味わい

 

今現在のコーヒーの味が、ご自身にとって

薄いなと感じれば少し挽き目を細かくしてみましょう。

濃いな、苦いなと感じれば少し挽き目を粗くしてみましょう。

 

実際にカフェでもこのようにして試しながら挽き目を決定します。

 

 

 

コーヒー豆を挽く時に注意すること

 

ミル

コーヒー豆は、その抽出方法や出したい味わいによって挽き目を変える必要がありますが、

どの挽き目であっても共通して注意しなければならないことがあります。

最後にコーヒー豆を挽く時に注意すべき点をまとめてみました。

 

コーヒー豆を挽くのは淹れる直前を意識する

コーヒー豆もその進むスピードは遅いですが、劣化が進みます。

食品であれば避けては通れないですね。

コーヒー豆を挽くことによって粉状になりますが、
粉になることで空気に触れる表面積が豆の時よりも多くなり、
劣化のスピードが格段と早くなります。

また、粉状にすることでハニカム構造の一部を壊すことになるため、
炭酸ガスが抜けて、風味が落ちます。

そのため、挽く行為と淹れる行為の間の時間は短ければ短いほどいいんです。

最近では、コーヒー豆屋さんで豆の状態で購入し、淹れる時に挽くという方も増えていますね。

 

挽きムラができるだけないように

コーヒー豆を挽いて粉状にしたさいに、1つ1つの粒が均一であることが望ましいです。

粒の大きさが違うと、前述したとおりコーヒー成分の溶け出す時間に差が出てきてしまうため、

意図しない味が出てきてしまうことがあります。

粗めに挽いたつもりが、ムラのせいで細挽きで挽いたときのような小さい粒が混じってしまった場合、

その粒のコーヒー成分は早く溶け出してしまい想定以上に濃くなってしまったり、

不要な成分まで溶け出し、エグみが出てきてしまう可能性があります。

挽いた粉の粒1つ1つの大きさが均一であればあるほど、安定した味わいとなります。

 

微粉やシルバースキン等の不純物が入らないように

コーヒー豆を挽くと、挽いた粉に微粉やシルバースキンと呼ばれる薄い皮が入り込むことがあります。

とても小さな微粉は、必要以上にコーヒーを成分を抽出してしまい、コーヒーの嫌な苦みやエグみを引き出してしまいます。

シルバースキン

シルバースキンについても、目に見える範囲だけでも除去すると均一性のある味わいになります。

 

 

注意点の1つ目は自分で気をつけることができますが、

2つ目、3つ目については、挽く器具であるミルやグラインダーにもよります。

 

数あるミルやグラインダー。

自分の手でまわして挽く手動のものから、スイッチひとつで挽いてくれる電動のものまでありますが、

上記注意点を参考に選んでいただくことになります。

 

数千円のお手頃な価格のものから数万〜数十万の高価なものまで。

一度に挽ける量や、性能と機能による違いが価格に反映されています。

微粉やシルバースキンといった不純物が入らないように工夫がしていあるものや、
挽かれた粉の均一性、粉に熱が伝わりにくいもの等、求めれば求めるほど価格が上がります。

このミルやグラインダーの種類については別途書きたいと思います。

 

当店で使用しているミル・グラインダー

少し脇道にそれますが参考までに。

当店で使用している器具は、

Kalita社ナイスカットミルです。

ナイスカットミル

※現在は生産が終了しています。後継機はナイスカットGとなります。

 

これは家庭用としてはもちろん、カフェでも使われるほど人気の商品です。

値段は2万円後半〜3万円でありながら、
挽きの精度、メンテナンス性まであらゆる性能が同一価格帯の他の製品よりワンランク上という評価。

もともと業務用に作られたものを家庭用にサイズダウンして作られたという流れからかもしれませんね。

家庭でもコーヒーにこだわりたい方、おすすめです。

 

 

コーヒー豆の挽き目についてのまとめ

 

  • コーヒー豆を粉状に挽くことで、コーヒーの成分を抽出することができる
  • 挽き目(メッシュ)は、粗挽き、中挽き、中細挽き、細挽き、極細挽きとあり、それぞれ味わいが変わる
  • 粗挽きにするほどすっきり軽やかな味わいに、細挽きにするほど重く濃厚な味わいになる
  • 豆を挽く時には、粉は劣化が早い、不純物を入れない、挽きムラがないように気をつける

 

次回は実際に当店のコーヒー豆で、挽き目を変えた時の味わいの違いをお伝えしたいと思います。

関連記事

  1. エアロプレス
  2. full city loast
  3. coffeejelly
  4. ディカフェ

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP